先日、東京ではり灸治療のセミナーを受講してきました。
普通、患者さんとしてはり灸を受ける際には、ご自分の症状が楽になるかどうかが大切だと思いますが、せっかく受講してきましたので、今回は当院のはり灸治療の方法についてお話ししようと思います。

まず押さえて頂きたいのは、はり灸治療というのは治療院により先生により色々な方法があるということです。解剖学・生理学に則った西洋医学的なはり灸治療もあれば、古代中国の文献を基にした東洋医学的なはり灸治療もありますし、東西医学を折衷しているような治療法もあります。

当院では、西洋医学的な病態把握を重視しつつも、基本的には東洋医学的な考え方ではり灸治療をおこなうというスタンスです。東洋医学的なはり灸治療も様々ありますが、その中で特に有名な治療法の一つが経絡治療というものです。患者さんの脈を確認したり、患部に触れたりしながら、はり灸で東洋医学的にバランスを調整していくのですが、当院の院長も10年以上経絡治療を学んできた経緯があります。

今回受講してきたVAMFIT・天地人治療セミナーは、長年経絡治療学会の夏季大学で講師を務めてこられた木戸正雄先生の治療法を学ぶセミナーでした。残念ながら、第1回は受講できなかったのですが、先日受けてきた第2回のセミナーについてご報告します。

木戸先生はVAMFIT(ヴァンフィット)と呼ばれる経絡系統治療システムと天地人治療を提唱しておられます。ものすごくざっくり言えば、前者は体を縦のつながりで考える治療法、後者は体を輪切りで考える治療ということになります。経絡治療では基本証と呼ばれる一番根本のバランスの崩れが体の様々な部位に悪さするという考え方なのですが、木戸先生の治療法もこのあたりの基本的な考え方は同じです。基本証による根本のバランスの崩れがどのように全身に波及しているのか東洋医学的に判断していく方法がVAMFITだと考えると分かりやすいかも知れません。

首や腹腰はほぼ全ての体の流れ(経絡や任脈・督脈)が関係しているため特にこれら部位の状態や運動性の変化を指標にして、東洋医学的な判断や治療効果の確認をおこなうことが多くなります。そのため誤解されている鍼灸師の先生も少なくないのですが、これらの部位の変化は症状に直結しているため筋肉系統の症状(経筋病)だけでなく、臓腑などの内なる症状などにも対応可能です。また脈状にも対応しているので、脈診の上達を考える上でも非常に参考になります。

また、なぜそのツボにはり灸をするのか、ツボを選ぶ意味を明確化してくれるので、無駄なハリを打つ必要がなくなることも大きなメリットです。

そんな木戸先生の治療法ですが、第2回のセミナーでは背中にある背兪穴を中心に、座学やデモンストレーション、実習をおこなっていただきました。木戸先生の背兪穴ははり灸の古典である「霊枢」に則っているという背兪穴を設定しておられ、特に霊背兪穴と呼ばれています。この霊背兪穴は臓腑と関係が深い募穴と呼ばれるツボと強い関係があると考えられるため、自分がたゆまず研鑽していけさえすれば(←ここ大事!)、今後の臨床・治療に間違いなく生かしていけるはず。。。
がんばります!
応援よろしくお願いします!

【参考文献】変動経絡検索法<VAMFIT>、木戸正雄著、医歯薬出版、2003年